血族 (文春文庫 や 3-4)山口 瞳

「桜庭一樹読書日記」で絶賛されていたので、興味を持って読んでみました。
山口瞳氏の母ときょうだい、母方の親族が美しすぎる、という謎。
その親族はどういうつながりであるのか(例えば従姉妹の子、とか祖父の弟の子といった様なつながり)が曖昧な謎。
山口氏の赤ちゃんの頃の写真に、なぜかもう一人赤ん坊が写っているという謎。
それを母亡き後に探るという、ざっくり言うとそういうお話(私小説)です。
読み進めていくと、母とその親族が必死に隠していた事が伺われます。
それを果たして知る事が、本当にいいのかと悩む作者。
情報も無く、もう調べるのをやめようとすると、何故か資料や関係者が見つかってしまうのも、やはり山口氏には「知る権利」があったのではないか。
何かに導かれたのだと思う。
母方の親族の謎にたどり着いた後、父方の親族(山口氏のはとこ家族?)を訪ねていくシーンが感動的です。
誇りに思っていたけれども何か欠落したものを感じていた自分を、この父方の親族を訪ねる事で肯定されたんだろうなと思います。
それにしても。
私は母方の親族が美しい謎、がイマイチ解明されてないと思うのですが。
フィクションではないので、はっきりした謎解きが無いのは分かるのですが、母や親族の生家の生業がそうだから、というのではちょっと・・・と思うのです。
だってそういう生業の人が美しくなければならない必然は無いのだから。
きっと、「垢抜けている」「アンニュイ」という事なんだろうな。